宗教、欲望、風刺が発展の鍵? 美術史の特徴と変遷をざっくり紹介

西洋美術史は、キリスト教誕生以前から始まり、その後、キリスト教以外の文化や思想、社会や技術などの影響を受けながら発展してきました。以下ではそれぞれ、西洋美術史の主な時代や特徴をとるくまの解釈と偏見を含みながら紹介します。

古代

キリスト教誕生以前の美術。旧石器時代まで遡る長い時代。この時期は美術史というより考古学として見られています。ローマは制服したギリシャの美術に影響を受け、その後のルネサンスにも影響を与えました。

ラスコーの洞窟壁画:1940年に穴に落ちた飼い犬を助けに向かった少年たちが発見した壁画。古今東西、犬は何かを発見する生き物なのかもしれない。少年の隣家に意地悪爺さんがいなかったことを願うばかり。

中世

キリスト教を中心とした美術です。尖塔や彫刻などの建築様式が発展しましたが、その中でも有名なものはロマネスクやゴシックです。文字の読めない人でも聖書の内容が分かるように宗教画が多く作られました。

ゴシック:薔薇窓と尖塔にステンドグラスが特徴の教会建築。「ゴシック」とは侮蔑的な意味合いの言葉であったそうだが現在では中世風の様式を意味する。ドイツで生まれた「ドイツゴシック」という書体は装飾的だがアメリカ経由で日本に普及した「ゴシック書体」は装飾のない読みやすい文字。

近世

キリスト教だけでなくギリシャ神話なども描くようになった時代です。美術最盛期のルネサンスもこの時代に当たります。「これは神様です。やらしくないです。神に誓って健全です。」といって裸も描かれるようになりました。神様以外の裸画を描いたら教会に怒られるので女神様はよく脱がされ、ダビデは巨人ゴリアテに全裸で挑む姿が彫刻されました。

ヴィーナスの誕生:サンドロ・ボッティチェリ作。天空神ウラノスから刈り取られたもにょもにょから生まれたアフロディテ。当たり前だが生まれたままの姿。
ダビデ像:ミケランジェロ作。ゴリアテとの戦闘中のダビデ。これから投石するダビデ。なぜか全裸で戦ったダビデ。神話読み直したら鎧だけは脱いでいたらしいが服も着てないダビデ。

近代

市民社会の影響が強い美術。印象派やキュピズムが生まれた時代で個性的。堂々と女性の裸どころか秘部を描く強者もいました。痴情のもつれから揉み合いの最中に銃で小指の先吹っ飛ばしたり、市販の便器に署名して展示会に出展したり、生涯が映画化され「本物の方が俳優より美男だった」と評価されたりと芸術家自身の赤裸々な日常や逸話、伝説も現代まで語り継がれています。

映画化された際に、主演の俳優より美男だったと評されたアメデオ・モディリアーニの自画像。ドラマティックな彼の生涯が気になった方は映画『モンパルナスの灯』をご覧あれ。

社会問題や批判を含む作品が多く作られるようになりました。技法も表現方法も多様でメディアもさまざま。インターネットやSNSを使って自分の作品を公開したり、他の人の作品にコメントしたりすることもできます。しかし、迂闊なことをするとSNSで叩かれる可能性もあります。引きこもりでもネットで創作活動も芸術鑑賞もできる時代になりました。現代は芸術に対する関心や参加が高まっている時代ですが、同時に芸術家や鑑賞者の責任も変わってくる時代でもあります。

現代

社会問題や批判を含む作品が多く作られるようになりました。技法も表現方法も多様でメディアもさまざま。インターネットやSNSを使って自分の作品を公開したり、他の人の作品にコメントしたりすることもできます。しかし、迂闊なことをするとSNSで叩かれる可能性もあります。引きこもりでもネットで創作活動も芸術鑑賞もできる時代になりました。現代は芸術に対する関心や参加が高まっている時代ですが、同時に芸術家や鑑賞者の責任も変わってくる時代でもあります。


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